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税額を過大に申告した場合
 

  以下の一定の要件を満たす場合など、税額を過大に申告したことが判明した場合には、更正請求書を管轄の税務署長に提出することで、税額等の減額や税金の還付等を受けることができます。

 

1 法律の規定に従っていなかった場合、または計算に誤りがあった場合


 課税標準等または税額等の計算が法律の規定に従っていなかったこと、または計算に誤りがあったことで確定申告書などの納税申告書で税額を過大に申告した場合には、
 法定申告期限から5年以内に更正の請求 を行う必要があります(平成23年12月2日以降に法定申告期限が到来する国税の場合、従来の1年間から5年間に延長されました)。

    ここで、法律の規定に従っていなかったこと、または計算に誤りがあったこととはどのような場合をいうかについて一律の基準があるわけではありませんが、  おおまかに言えば、税額等の計算方法が複数ある場合にその選択を誤った場合には、原則として更正の請求は認められず、選択の誤りではないものの、 その計算過程自体に誤りがあった場合には、更正の請求が認められる可能性があります。

    参考までに、過去の裁判例で更正の請求が認められた例として、以下のようなものがあります。

特別措置の適用を選択して確定申告をしたのであるが、特別措置の適用を選択する計算過程において計算間違いがあり、そのために特別措置を選択したような事情があり、かつそれが確定申告書でも明らかなような場合(最高裁平成2年6月5日)                       

税額の導き出す計算方法が複数ある場合に、申告書の記載内容等に照らして、Aとの計算方法を選択したことが認められる場合に、そのAの方法における計算過程に誤りがあった場合(東京地裁平成18年10月4日)                                              

配当等に係る所得税額控除制度の適用を受けることが確定申告書の記載から明らかであり、その記載内容・計算過程に誤りがあった場合(最高裁平成21年7月10日)                                             

課税負担の錯誤につき、納税者が課税庁の指摘等によらず、自ら課税負担の錯誤に気づき、更正の請求期間内に遺産分割の再協議を経て更正の請求の手続をとった案件につき、①申告者が更正の請求期間内に、かつ課税庁の調査時の指摘、修正申告の慫慂、更正処分等を受ける前に、自ら誤信に気づいて更正の請求をし、②更正の請求期間内に新たな遺産分割の合意による分割内容の変更をして、当初の遺産分割の経済的効果を完全に消失させており、かつ③その分割内容の変更がやむを得ない事情により誤信の内容を税制する一回的なものであると認められる場合のように、更正の請求期間内にされた更正の請求においてその主張を認めても、租税法律関係が不安定となり、納税者間の公平を害し、申告納税方式の破壊につながるといった弊害が生じるおそれがなく、申告納税制度の趣旨・構造及び租税法上の信義則に反するとはいえないものと認めるべき特段の事情がある場合(東京地裁平成21年2月27日)この判例は相続法・税法Q&A(第6問)でも紹介しています。
  
 なお、平成23年末の税制改正により、更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる、「事実を証明する書類 
 の添付が必要となることが明確化されました。また、同改正により、内容虚偽の記載をして更正の請求書を提出した場合の罰則規定
(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)が設けられました。

 2 更正の請求範囲の拡大

 

 
 平成23年末の税制改正により、当初申告の際、申告書に適用金額を記載した場合に限り適用が可能とされていた措置
のうち、一定の措置については、更正の請求(または修正申告書)の提出により、事後的に適用を受けることができる
ようになりました(詳細は国税庁HPをご参照ください)。
 また、控除等の金額が当初申告の際の申告書に記載された金額に限定される控除額の制限がある措置について、更正の請求(または修正申告書)の提出により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除等の金額を増額することができるようになりました(詳細は国税庁HPをご参照ください)。
 
    

3 判決、裁判上の和解等によって基礎となる事実に変更が生じた場合


    申告、更正または決定にかかる課税標準等または税額等の計算の基礎となった事実に関し、その後、民事訴訟での判決、裁判上の和解等によって、その事実が計算の基礎としたものと異なることが確定したような場合には、その確定した日の翌日から2ヶ月以内に、更正の請求が可能
です。
 ただし、裁判上の和解であっても、租税を免れる目的でなされた馴れ合いでの和解はこれにあたりません。


   

4 解除権の行使、やむを得ない事情による解除


 契約が解除権の行使によって解除されたとき、または契約の成立後生じたやむを得ない事情によって解除されたときには、その解除の日の翌日から2ヶ月以内に更正の請求が可能です。ここで、契約の成立後生じたやむを得ない事情とは、法定の解除事由がある場合、事情の変更により契約の効力を維持するのが不当な場合、その他これに類する客観的理由がある場合をいいます。
 そのため、課税問題を解決するためといった主観的な理由に基づく契約当事者間での合意による解除の場合には、更正の請求が認められません。

5 国税庁長官の法令解釈が納税者にとって有利に変更された場合

 
 
申告、更正または決定にかかる課税標準等または税額等の計算の基礎となった事実に関する国税庁長官の法令の解釈が、その更正または決定にかかる審査請求または訴えについての裁決または判決により変更され、変更等の解釈が国税庁長官により公表されたことにより、その課税標準等または税額等が異なる取り扱いを受けることとなった場合には、それを知った日の翌日から2ヶ月以内に、更正の請求が可能です。 

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