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国家賠償請求訴訟

 国家賠償請求訴訟とは、租税職員の違法な公権力の行使によって受けた損害の賠償を国または地方団体に求める訴訟であって、純粋な民事訴訟です。
 国家賠償請求訴訟を求めるためには、その損害が公務員の故意または過失によることが必要です。

国家賠償責任とは

  公務員がその公権力を行使して職務を行うに際して故意又は過失により、あるいは、公の営造物の設置、管理の瑕疵により、違法に他人に損害を生じたときに、国又は公共団体が負担する賠償責任のことを一般的に言います。この国家賠償責任に関しては、特別法として国家賠償法があります。
 

要件と判例

  国家賠償請求訴訟は、そのタイプに応じて、(1)国家賠償法第1条の公務員の不法行為による場合、(2)同法第2条の公の営造物の設置、管理の瑕疵による場合、(3)安全配慮義務違反による場合等に分けられることがあります。

 課税処分に違法がある場合や税務調査に違法がある場合には、(1)国家賠償法第1条の公務員の不法行為による場合に該当するかどうかの検討が必要となります。以下では、各場合の要件と判例等につきその概略を解説します。

 

(1)課税処分に違法がある場合

 

 この場合に参考となる判例としては、最高裁判例平成5年3月11日があります。この判決では、「税務署長のする所得税の更正は、所得金額を過大に認定していたとしても、そのことから直ちに国家賠償法1条1項にいう違法があったとの評価を受けるものではな」いとされています。

 ただし、続けて、「税務署長が資料を収集し、これに基づき課税要件事実を認定、判断する上において、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をしたと認め得るような事情がある場合に限り」国家賠償法1条1項にいう違法があったとの評価を受けると判示しています。

 

(2) 税務調査に違法がある場合

 質問検査権の行使が違法とする過去の判例としては、

1 国税調査官が税務調査のため納税者の店舗に臨場し、納税者の不在を確認する目的で、内扉の留め金を外して作業場の入口付近まで立ち入ったことが、国家賠償法1条1項上、違法な職務の執行に当たると判断、精神的苦痛に対する慰謝料として10万円の請求を認容(京都地裁昭和59年3月22日)。

2 店主不在の間に、税務職金が質問検査権の行使として、店舗2階の居室部分へ侵入し、売上集計表を取り上げた行為等が違法と判断され、納税者に50万円、その母親に30万円の慰謝料請求を認める(大阪高裁平成10年3月19日)。

3 課税庁係官らが、納税者の意思に反して、事務所2階の事務所に侵入し、また2階倉庫に侵入したことを認定し、適法な質問調査権の範囲を超える違法な行為であると判断、精神的苦痛に対する慰謝料として10万円、弁護士費用として1万円の請求を認める(高松高裁平成13年4月27日)。

 などがあります。

「税務訴訟」目次

税務訴訟         国家賠償請求

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